思い出パイプライン

1990年代を懐古する

レトロゲーム

スーパーファミコン

投稿日:2017-07-15 更新日:

 90を語る上で、スーファミは外せない! 

かつてみんなが熱中したスーファミ。

90年代、小学生も中学生も高校生も……
いや、大学生、浪人生、ゲーム好きの大人まで、
スーファミに心を奪われた人は多いはず!

人それぞれにスーファミの思い出がある事でしょう。

早い話……

懐かしいよね! スーファミ!

そんなスーファミ「本体」にクローズアップして記事を書いたよ。

もしスーファミを知らなくても大丈夫、俺が詳しく書いたぜ!
興味があったら見てくれよな!

※この記事はかなり長くなってしまいました。
スーファミには要点や個人的に書きたい思い出が多過ぎて、
どうしても簡潔に纏める事ができませんでした。
気になる項目があったら、
クリックして飛ぶと楽よ♥
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スーパーなファミコン

家庭用ゲーム機、ファミリーコンピュータの後継機として、
1990年、「スーパーファミコン」が発売されました。

先代のファミコンは8ビットCPUのゲーム機でしたが、
スーファミはCPUが16ビットにグレードアップ!
ゲームのグラフィックがより綺麗になりました。
キャラクターはより生き生きと、背景も美しく緻密に。

また、音源もパワーアップ!
サンプリングした楽器や人間の声が使用可能になったので、
ゲームのサウンドがそれまでの電子音から重厚になり、
臨調感の溢れるものになりました。

つまり、
ゲームの表現力がスーファミになって更に広がったのでした。

たくさんのソフト in SFC

スーファミをプラットホームに
数々のソフトがリリースされました。

任天堂から、
ファミコン時代からおなじみのサードパーティーから、
マイナーなだけど味のあるメーカーから、
それこそまだ無名のメーカーから。

とにかく、ありとあらゆるソフトが出まくっていた印象です。

それもそのはず、
発売されたスーファミのソフトの数、
なんと、1,447タイトル!(※)
これは、任天堂歴代の据置型ゲーム機では最多の本数です。

著名なタイトルだけでも挙げていこうと思いましたが、
キリが無いほどに多いので以下の言葉で纏めます。

「スーファミは名作が多い!マジに!」

もちろん、

名作の影には屍の山(クソゲー)もありましたが。

このようにソフトがたくさん出たのもスーファミの特徴。
自分の知らないソフトが友達の家にあると
目をきらきらと輝かせたものでした。

あぁ。

いろいろと懐かしい記憶が蘇る……

涙が出そうです。

(※) スーファミソフトの販売タイトル総数
総数については諸説があり実は確定されていません。
総数1,447本の場合、ニンテンドウパワーはサービス限定タイトルのみ本数にカウント。
(カセット版との重複タイトルは非計上)
SNES(北米)版タイトル、サテラビュー配信タイトル、VC配信タイトルはノーカウントです。

スーファミにまつわるエトセトラ

スーファミならではのエピソードや思い出です。

ソフトが高いぞ!

スーファミはソフトが割りと高かった!
中には1万円近い価格で売られるソフトも。

▲高額ソフトの例 今の感覚でも十分に高いですね。

ただ思うに、
ソフトがそう安くはないという事は、
子供達はそれだけ次から次へと買ってもらえないという事。
子供はたとえクソゲーだったとしても、
すぐ投げず、なんとかして遊びました。

ここでついでに言えば、
洋ゲーやPCゲームの移植作も多かったスーファミ。
「ゲームの表示言語が全部英語」とかでもめけず、
手探りと勘でなんとかプレイしたものでした。
たとえポピュラスだろうと。

荒いヤツはセーブが消えるぞ!

スーファミはファミコンの時代よりも
カセットのROMの容量が増えました。

容量増=ボリュームUPと言う事で、
一回のプレイでは、そう最後までいけません。
セーブ物は何回も何回もセーブしながら
プレイを重ねて全クリを目指します。

要するにスーファミには、
「バッテリーバックアップ機能」付きのカセットが多かった。

──この機能
便利な反面、悲劇もしばしば。

セーブデータはカセット側に記録する特性上、
カセットの扱いが雑だとセーブデータが吹っ飛んでしまいました。
(これはファミコンでもゲームボーイのカセットでも同じ事ですけどね。)

でも、特にスーファミのカセットは重さがあります。
ふいに落としでもして、打ち所が悪かったりすると、
無常にもセーブが消えました。

脅威は他にも。

起動中のスーファミ本体に何らかの衝撃が加わると、
画面がバグってセーブが消える事がありました。
プレイに熱が入りすぎてコントローラーを引っ張っちゃうと、
この「不慮の事故」は起こりがち。
バグってそのままフリーズ必至なので、一回リセットするしかありません。

セーブが消えていないかどうかは「まさに運ゲー」
冷や汗をかいたものでした。

なぜ衝撃でセーブが消えるのか、
そのメカニズムはよく分かりませんが、
メモリーの仕様上、仕方のない事なのでしょう。

そうはいっても、
コツコツ進めていく系のソフトなんかで
“セーブをやっちゃうと”かなりヘコんだものでした。

あと……、
あの極めて有名な話にも触れなくてはなりません。

「星のカービィ スーパーデラックス」は、
何もした覚えがないのに、
よく勝手にセーブが消えていました。

ピコーン、
トゥラララルロリルララルロリロ、
チャラッチャッター、ジャラッチャッララーー……


ッッタン!!

「0%」「0%」「0%」

──このゲームの特筆はアクションなのに2人同時プレイができる点。
協力すれば攻略がその分だけラクになりますし、
一人プレイではなかなか取れないアイテムもあったりします。

すなわち、
進捗パーセンテージ=協力プレイの結晶

そこに不意に訪れるのが、
この「0%」「0%」「0%」画面でした。

意味はもちろん、
全てのセーブデータが吹っ飛んだ事を示します。

さぁ今日も進めるぞ〜!っと友と意気揚々と立ち上げて、
この非情な仕打ち。ドン引きした思い出があります。

「洞窟大作戦」で宝をがんばって集めてようが、
「銀河にねがいを」出してようが、
ま〜た最初からです(泣)

……ありゃ!
カービィデラックスの
思い出になってしまいました。

リアルファイトも楽しめたぞ!

ケンカによく発展したのも、
スーファミのエピソードには欠かせないかと思います。

大体のケンカの発端は、
格ゲー、落ち物、レース系、

というか対戦機能があるソフトなら何でも。

ゲームの対戦とは相手と技量を競い合う事。
最初はそれこそ「遊び」が段々「真剣」になりがち。

最後までお互いにフレンドリーシップがあれば、
いい対戦ができ、充実した時間を楽しめます。

しかし、そこは子供。オトナじゃない。

セコ技やセコアイテムでも平気で使いますし、
勝てば容赦なく相手をDisります。

「弱っ!」だの「ザコっ!」だの「下手クソ!」だの。

不毛な罵り合いを何回やった事か……

対戦プレイ以前に大人数で遊ぶ時は
ほんのささいな事でも火種になりました。

人数が多い時はプレイ順番をちゃんと決めて、
コントローラーを交代しながら遊ぶものですが、
(だいたい「死んだら交代」)
熱中すると一向に順番を変わろうとしない奴や、
トイレに行っている間に順番をスッ飛ばされる奴が出てきます。

集まってスーファミやると、
最初はみんなで楽しくワイワイやっていても、
結局ケンカし、誰かがスネて不貞腐れていました。

友達や兄弟とスーファミでケンカ。
これはおそらく、
90年代キッズの通過儀礼かと。

でも、こういうケンカ自体もまた、
思い出になっているものですよね。

結論、
スーファミは“相手の尊重”“人の痛み”も学べた。

あとハメ技で勝つのは無粋。

裏ワザもたくさんあったぞ!

ゲーム文化の一つとも言える裏ワザ。
スーファミのゲームにも然り、
数多の裏ワザが存在しました。

裏ワザはファミコン時代からありますが、
スーファミになってから更に多様化した気がします。
きっとコントローラーのボタンが増えたのもあるでしょう。

また、ソフトによりけりですが、
ゲーム中の隠し要素も盛りだくさん。
知っていれば攻略が有利になりますし、
なにより友達から一目置かれました。

バグ技も立派な裏ワザ。
スーファミはバグが残ったままのソフトが非常に多かった。
(特に初期ロットのカセットはバグ技が多い)
このバグを利用するテクニックなんて、まさに逆転の発想です。
今のゲームだとアップデートですぐ修正されちゃいますよね。

そんな、懐かしの裏ワザ&裏要素&バグ技を勝手に大抜粋!

定番の無限1UP、隠れキャラ、裏アイテム、隠し要素、
バグを利用した裏ワザ、隠しコマンド・隠し技など……
「あれ!?コレって何のソフトやったっけ?」と
モヤモヤするのもまた乙な楽しみ方ですので、
クイズっぽく、端的&抽象的に書きます。

全部分かるかな? ウフフ♥
(※重複もしてます)

■シグナル2個目の前にB

■えふえふ

XBLYRA

■オープニング中に+Yを連発

■はやぶさキャンセル

↓R↑LYBXA

→←↓↑+Y or B

■ばくれつカブトムシ

■パスワード:5656

↑↑↓↓←→←→BA(自爆多し)

■モンスターじいさんバグ

■ハナチャンバグ

■ブラックサンナックル

■パスワード:108048

■天草四郎

■カリバー9999

■巨大トマトから落ちずに粘る

■遺跡無限1UP

セレクト+XXYBA

RRRLLLRRRRRRR

いかがでしたか?
モロ分かりなものもありますが、
「コレはあのソフトのアレや」と
懐かしくなったきたのではないでしょうか。

サラッと全部分かった方……スゴい!

さて、振り返ると、スーファミの時代って、
インターネットがまだ一般には普及していませんでした。

それでも誰かがどこかで裏ワザや裏情報を知り、
それがどんどん人から人へと伝播していきました。
ある意味、人間”LAN”の時代でした。

そんなアナログの時代だったので、
裏ワザ掲載だけに特化した書籍もありました。

そう、あの電話帳並に分厚い「大技林」
持っているヤツはクラスで重宝されたのでした。

スーファミ小ネタ集

■消えたマイク

ファミコンのⅡコンに搭載されていたマイクですが、
スーファミでは残念ながら廃止されてしまいました。

もしスーファミにもマイクがあったならば、
神々のトライフォースでも
マイクで倒せる敵がきっといたに違いない。

■ソフトの箱

箱って見るだけでもワクワクしましたよね。
それを開けると……、

こんな感じでした。

おぉ……ナイスですね!
透明の梱包材やACアダプター取扱注意の紙も、
何気に風情があるポイントです。

■そういえばケースは無かった

上の箱の画像の通り、
スーファミのソフトにはケースが付いていませんでした。
ゲームボーイには必ず付いてたのに〜!

でも、ケースは(ちゃっかり)別売されていました。
これで不意に落としても、もうセーブは消えない!?

写真のケースはマリオとヨッシーの箔押しが付いています。
他のキャラのケースもあったんですかね?
ちょっと分からないです。

■CMで強烈にアピールされたクーポン券
95年辺りで発売された一部のソフト(任天堂ソフト)には、

お得なクーポン券が入っておりました。

このクーポン、

スーファミ本体の価格を
なんと4,000円もディスカウントしてくれる、
たいへん太っ腹なクーポンでした。

しかしながら、
既に本体を持っている場合は、特に使い道ナッシング。
人によってはちょっと残念な気持ちにもなったクーポン券だった!?

──覚えていますか? 例えばスーパーマリオRPGのCMのラストシーン。

「スーパーファミコンが4,000円安くなるクーポン券つき!!!」
(CV:パックンフラワー)

■スーファミ+テレビ!?

シャープ製のテレビで、
「SF1」という代物がありました。

X画像貼る

なんと、このテレビ、
スーファミが内蔵されています。
煩わしい配線の手間も一切不要。

一体このテレビ、当時いくらだったのか?

画面の型は2タイプあったそうで、
小さい方の14型タイプでも10万したそうです。

一瞬、「高!」とも思えちゃいますが、
よくよく考えてみたら、
今の液晶テレビもそこそこの値で売られています。
なので、スーファミも内蔵していてこの価格なら、
むしろお得だったのかもしれません。

どれくらいこのテレビって流通したんでしょうね。
ちょいと気になる所です。

忘れちゃいけない周辺機器

スーファミには様々な周辺機器がありました。
(フロンティア精神が溢れすぎた物も中にはありましたが)

兎にも角にも、
周辺機器を使えばいつものゲームがより楽しくなるのだ!

そんな、スーファミを盛り上げてくれた周辺機器たちを大紹介。
勝手ながら私の主観で分けていきます。

おなじみの周辺機器
「スーパーゲームボーイ」

 wikipedia.orgより

 Photo by:Evan-Amos

ゲームボーイのソフト
大画面&色付きで楽しめるという、
何とも素晴らしいアイテムでした。
(ゲームボーイカラーの登場はもっと後)

なにより、電池を消費しないという、
ありがたい一品でもあります。

スーパーゲームボーイは周辺機器には珍しく、
続編の”2″も出ました。
(2は通信ケーブルが使用可能)

「連射コントローラー」

シューティング、ガンアクションなど
ボタン連打要素のあるゲームで使う事で、
絶大な威力を発揮したアイテムです。

人類では到底不可能な連打数だろうが、
いとも簡単にやってのけてしまうという、
攻略グッズ的な立ち位置の周辺機器です。

百烈キックや武闘伝の打ち合いなど、
格ゲーにも使える汎用性の高さもGood!

連射コントローラーで有名なのはおそらく、
ハドソンの「スーパージョイカード」でしょう。
あの可愛らしいハチのマークが入ったやつです。

そういえばもうハチ助は……

「マルチタップ」

コントローラをスーファミに4個繋げる為の周辺機器です。

おそらく、一番マルチタップが使われたソフトは
スーパーボンバーマンシリーズじゃないでしょうか。
コントローラーを持ち寄って、
友達の家へ遊びに行った思い出があります。

情報として、マルチタップには横長タイプの他、
ボンバーマンの顔が入った正方形タイプも存在。

ふと思ったのですが、
マルチタップにマルチタップ繋げていくと、
4人以上の人数でも遊べますよね。
(壊れますが、理論上で)

以下、与太話を少々……

スーファミ本体にまずマルチタップ2個接続、
これがますスタートの段階。

そのマルチタップにマルチタップを更に繋ぐ、
これを1段階目とします。

また、どんどん増殖していく接続口は
2×(4^x) という式で表せます。

変数 x が16のとき、
各マルチタップの接続口は
8,589,934,592個。

すなわち、
マルチタップ接続の「16段階目」で、
地球上の人口、約73.5億人を軽く越える数の
コントローラーを繋げます。

人類総出でボンバーマンできるNE!

しかし、
「16段階目」って一見すると少な過ぎに感じませんか?
マルチタップを引き合いに何を伝えたかったかというと、

「累乗は人の直感と反する事が多く、ヤバい!」

1枚の紙を折り続けていくと、
43回目の折りで地球〜月の距離を
軽く越えてしまうという有名な話がありますが、
あの話も累乗です。
(何の話やねん……)

少しニッチな周辺機器
「スーパーファミコンマウス」

 wikipedia.orgより

 photo:Evan-Amos

「マリオペイント」、「マリオとワリオ」を
遊ぶ為に必要な周辺機器です。
マウスなのでデバイスと言った方がしっくりきますね。

マ、マリオペイント……

このソフトにはどうしても触れなくてはいけない要素があります。
それは、雰囲気が所々で不気味な事。

ホラー要素とは縁遠いゲームですが、
所々の演出やエフェクトがそこはかとなく気味が悪い。
オープニングからしてシュールレアリズムの風が吹き荒ぶという。

私は特に“イカみたいなスポイトのツール”を
選択した時に流れるBGMがどうにも気持ち悪くて無理でした。
むしろ恐怖心まで覚えました。

大人になった今はたぶん平気ですけどね。

子供は多感な時期に身を置いており、
よくわからないものに怖がるという話。

もっと大袈裟にいうと、人間、どうにも意図の分からない物には
どうしても不安になる性質があります。
(だから何の話やねん……)
ともあれ、マリオペイントは絵を描いたりアニメーションを作ったり作曲をしたりと
自由な遊びができる大変素晴らしいソフトでした。

余談の余談ですが、当時は一般家庭のPC普及が皆無と言っていいレベル。
ごく一部の家庭にマイコンがぽつっとあるかも……という時代でした。
なのでスーファミで初めてマウスを触り、マウスという概念を知った方も多いと思います。

その目新しい”マウスで遊ぶ”という斬新さも相まってか、
おまけゲームであるはずの「ハエたたき」が異常に面白かったです。

「スーパースコープ」

 wikipedia.orgより

 photo:Evan-Amos

マウスと同じく専用ソフトで遊ぶ為の周辺機器です。

ファミコンから進化したのがスーファミですが、
光線銃から進化したのがこの「スーパースコープ」です。

画面に向かって撃つスタンスはそのままに、
“肩に担ぐ”という大胆なスタイルへ進化しました。

この周辺機器の名を、
スーパー“バズーカ”と間違えて
覚えている方もいるのではないでしょうか?

それは多分、バズーカっぽいこの形と、
対応ソフトの「スペースバズーカ」とで、
色々と混同しているに違いないかと思います。

「スーファミターボ」

※イメージ画像です
 Illusted by Pengin

スーパーゲームボーイと構造が似ており、
カセット on カセット方式な周辺機器です。

遊ぶ為には専用のカセットが必要ですが、
そのカセットをなんと「2個」差し込めます。

専用カセット1個でもゲームはできますが、
2個目のカセットが拡張ROM的な働きをします。
ダブルで使う事がスーファミターボの真骨頂。

技の1号、力の2号といった所でしょうか。

ライダー関係ないやんけ……

いや、それがちょっと関係ありんす。
スーファミターボも専用カセットも「BANDAI」の商品。
BANDAIといえばヒーローもの、
そしてSD化にも非常に明るい。

スーファミターボ用ソフトのタイトル群は、
SDガンダム系、SDウルトラマン系が充実しておりました。

なのでスーファミターボのユーザーは
コミックボンボン派の少年が多かった。
(SDライダーのソフトは出ませんでしたけどね)

極めてコアな周辺機器

これは絶対に「サテラビュー」でしょう。

サテラビューは衛星放送(BS)を受信する端末機器。
サテラビューをスーファミ本体に取り付ける事により、
BS番組の視聴(なんとオリジナル番組!)や、
専用ゲームのダウンロードが可能に。

 wikipedia.orgより

 Photo by:Muband

スーファミの裏面に隠されていた接続端子を見つけ、
何に使うのか不思議に思った方もいるかもしれません。
実はサテラビューを取り付ける為の接続端子だったのです。

周辺機器っていうのは、
案外、誰しらの友達が買うもの。
なので自分では持っていなくとも、
遊んだり使ったりできたものです。

でも、このサテラビューだけは全く別。
周りに持っているヤツが誰もいませんでした。
まず、遊ぶ為にはBS放送の契約が必須なので、
そもそもの敷居からして高かったと思います。

一説によると、このサテラビュー、
時代を先取りしすぎたとも言われています。

サテラビュー向けのBS放送配信サービスは
2000年に終了しており、現在では受信が不可能です。
当時、サテラビューで遊んだ経験があれば
人に自慢していいレベルではないかと思います。
残念ながら私はその自慢ができません。

ニンテンドウパワーの存在

90年代後半「ニンテンドウパワー」という
スーファミ向けの新しいサービスが生まれました。

ニンテンドウパワーは少々限定的なサービスとなっており、
コンビニ「ローソン」でしか利用できませんでした。(※)
なので、その存在を知らない方も多いのではないでしょうか。

しかし、スーファミ史において極めて重要な要素にあたるので、
なるべく分かり易く解説していきたいと思います。
(知ってたら飛ばしてね!)

どんなサービス?

あのスーファミのソフトを遊びたいのに、
どこの店を探しても売ってない。
売ってるんだけどお金が足りない。
もしくは中古でも高い……

そんな時、
このニンテンドウパワーを利用します。

ニンテンドウパワーは「ソフト書き換え」というシステムによって
遊びたいソフトを任意で選べ、なおかつ安価で楽しむ事ができました。

初めこそ“ニンテンドウパワー専用カセット”である、
「SFメモリカセット」を購入する必要はありましたが、
その後はソフト書き換え時にしか費用が掛かりません。

X画像貼る
白ロム的なSFメモリカセット……実際白い!

気になるのが書き換えの料金……

1タイトル1000円〜でした!!

安い!!
(子供にはそれでも大金ですが)

ローソンでSFメモリを書き換えたら、
後はいつものようにスーファミで遊ぶだけです。

次のソフトで遊びたくなったら別のソフトに書き換え、
それも攻略したらまたまた別のタイトルに書き換える。
自由に何回でも書き換えできるのが
ニンテンドウパワーの最大の特徴です。

ファミコン世代の方はピンときたのでは!?

そう、ニンテンドウパワーとは
「スーファミ版ディスクシステム」だったのです。

自分だけのチョイスができたよ

SFメモリは書き換えで使用するROMの領域を
ブロックという独自の要素で小分けして管理しています。
空きの容量次第では書き換え済データを上書きで消さずに、
別タイトルのデータを“追加”して書き換えできました。
つまり、一つのカセットに何本もソフトが入っている状態も可。
(SFメモリ1個につき最大7タイトルまで保有可能!)

これってある意味、「自分だけのオリジナルカセット」ですよね。

X付箋

書き換えできたゲームはどれくらいあったの?

書き換えできたタイトルは固定数ではなく、
基本的に月単位でどんどん増えていきました。
最終的には約300タイトル程を扱うまでに!

書き換えできたタイトルは、おおまかに二分すると、
①それまでの既存ソフト(カセット)の中でも比較的人気があったタイトル(※)
②ニンテンドウパワー限定のタイトル
の2パターンです。

②についてですが、
純粋な限定タイトルで占められていたのではなく、
98年以降のスーファミの新作はニンテンドウパワーを軸に
供給されていた背景があり、それが内訳としては大きいです。
スーファミ時代の最後を締めくくるラストタイトルも、
カセット(パッケージ版)ではなくて
ニンテンドウパワーからだったんですよ。

ニンテンドウパワー対応のタイトルは
ローソンで無料配布されるパンフレットで把握できました。
ゲーム画面の写真付きで紹介されていて読み応えがあり、
じっくり目を通すと次の書き換えがしたくなるという罠でした。
月刊発行だったので、もはやちょっとしたゲーム雑誌ですね。

説明はこれで終わりピカ!

スーファミの造詣が広がりましたら幸いです。
かつて、こんな便利なサービスがあったという。

因に、このニンテンドウパワー、
ゲームボーイにも対応していたサービスです。
というか正確には、
ニンテンドウパワーはスーファミとゲームボーイの
「ソフト書き換えサービスの総称」でした。

(※) ローソンだけのニンテンドウパワー
ローソン限定だった理由はニンテンドウパワーが「Loppi」を介して提供されたサービスだったからです。
Loppiを自分で操作し、書き換えの申し込みと前処理を行います。
(Loppi上で書き換え作業は完結せず、清算処理とROMデータ書き込みは店員が行います)

Loppiのニンテンドウパワー対応期間は1997年〜2002年迄です。
この期間、日本中のLoppiにスーファミとゲームボーイのカセット差し込み口がありました。

X写真

▲Loppiに埋めこまれたカセット読み取り機器
期間終了後、ローソンでは書き換えができなくなりましたが、
サービス自体は存続され2007年まで代替手段が設けられました。
(SFメモリカセットを任天堂カスタマーセンターに持ち込むか郵送)
これぞ顧客サービスの鏡ですね。

(※) 書き替えできた既存タイトル
便宜上、人気タイトルとしましたが正確には、
任天堂とニンテンドウパワーに参入したパーティーのリリースの中から選出されたタイトルです。
元のカセットが大容量だったり特殊チップ搭載していると、SFメモリに収める事はできないので、
人気でも都合上、ニンテンドウパワーで提供されなかったタイトルもあります。

よく売れていたスーファミのソフト

結局の所、スーファミのソフトって
どのソフトがよく売れていたのでしょうか。
気になったのでベスト10まで調べました。

スーファミソフト国内販売本数ベスト10

1位・スーパーマリオカート
2位・スーパーマリオワールド
3位・ドラゴンクエストVI ─幻の大地
4位・スーパードンキーコング
5位・ストリートファイターⅡ
6位・ドラゴンクエストⅤ ─天空の花嫁
7位・ファイナルファンタジーⅥ
8位・ファイナルファンタジーⅤ
9位・スーパードンキーコング2
10位・スーパーマリオコレクション

やはり……
そうそうたるタイトルばかりです。

そんな中、栄えある第1位は、

「スーパーマリオカート」

販売総数は約382万本!
超メガヒット作です。

マリオカートはニンテンドウパワーで
書き換えできなかったソフトなので、
カセットだけでこの販売数なんでしょう。

確かに振り返ってみると、スーファミがある家には、
高確率でマリオカートがありましたし、
人気ゆえに実際のライフスタイルにも影響を与えていました。

当時の小学生は走り出す際、
「ロケットスタート!!!!!」
と言いがちでしたし、

そこから更に、
「キノコ!!!!!」
とデカい声で叫んで友達にタックルしました、よね!?

……ありゃ。
マリオカートの話になっていますね。
でもそれ程、初代マリオカートはレジェンドでした。

「レインボーロードをやり過ぎると目が悪くなる」
という変な都市伝説まで流れていましたし。

今だからこそスーファミ!

大人になった今、
日々の多忙に追われてしまうと、
腰を据えてゲームする時間はなかなか取れないですよね。
代わりに手軽に遊べるスマホゲームが重宝されています。

──攻略本片手にゲームの世界を冒険したあの頃。

でも、スーファミを眠らせておくのは非常に勿体ない。
今では極めて珍しくなったドット絵の2Dゲームですが、
「その黄金期のゲーム達を楽しめるのがスーファミ」

もしもスーファミが家にまだ残っていましたら、
電源を入れて久しぶりに遊んでみてはいかがでしょうか。
アダプターやAVケーブルが生きていればまだまだ動くかと。
きっと懐かしい思い出も一緒に蘇るハズ!

カセットしか残っていなくてもOK!
「互換機」という物が安価で手に入るので、スーファミ本体がなくても遊べます。

※画像クリックでAmazon.co.jpにジャンプします

カセットも残って無い。
もしくは、スーファミは知らないけど遊びたくなった。

それでも大丈夫!

スーファミのソフトはWiiやWiiU、3DSで、
「バーチャルコンソール」という文明の利器にて復活しています。(※未配信ソフトもあります)

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さて、
スーファミについて書きたい事を書いていったら、
こんなにも文が長くなってしまいました。

当時遊んだ各ソフトにはもちろん、
一つ一つの思い出があるので、
別の機会に綴っていきたいと思います。

ここまで読んで頂けたら嬉しいです。
ありがとうございました。

ちょっとマニアックな話

スーパーファミコンマウスの謎

日本国内で販売されたスーパーファミコン及び、
関連製品には、どれも型番「SHVC」が付いております。

しかし、「スーパーファミコンマウス」はなぜか違う。
型番は「SNS-016」です。(専用マウスパッドはSNS-017)
この”SNS”は海外版スーパーファミコン(SNES)と
その関連製品に付けられている型番です。

そして、スーパーファミコンマウスの色味、
奇妙な事に「SNES」と瓜二つ……

X画像

深い意味はないんでしょうけど、偶然とも考え難い。
元々、このマウスは海外向けに開発されていた製品なのでしょうか?

う〜ん、謎です。

ゲーマーの、ゲーマーによる、ゲーマーの為の30分

当時のスーファミ関連のゲーム番組といえば
「スーパーマリオスタジアム」が有名ですが、
「ゲーム王国」という番組もかつて放送されておりました。

マリオスタジアムが陽なら、この番組は陰
(※個人的な捉え方です)

番組中で取り上げるソフトは
一癖も二癖もあるメーカーのソフトが目立ちました。
それらアクの強いソフトの裏ワザ紹介もしており、
内容としてかなり偏ったゲーム情報番組でした。
しかも平日の朝から放映するという(笑)

しかし! 得体の知れないソフトでも、
何回も紹介されると却って欲しくなる不思議。
私はこの番組で(しつこく)紹介された
「キッドクラウンのクレージーチェイス」を欲しくなり買いました……。
(坂道を走り抜けるゲームです。斜めの視点が特徴。
ググってみて下さい、ゲーム王国を見てた人なら見覚えあるはず!)

ゲーム紹介だけでなくチーム対抗バトルの目玉企画も有。
そのバトルが何をお題に勝負していたのかまでは、
ちょっと思い出せないのですが、スタジオ観覧の子供達の声援、

「子猫さんチームがんばれ〜!!」

というフレーズが今も耳に残っています。

そんなバトルとゲーム紹介を朝っぱらからやられてしまうと、
子供は朝飯そっちのけで見入ってしまいます。

ゲーム王国のメイン司会者は故林家子猫師匠。
師匠のはつらつとした軽快なトークと
上手すぎる動物の鳴き真似も見ものでした。

スーファミの拡大縮小機能・回転機能

スーファミ本体には特殊な機能が搭載されていました。
それはゲーム画像の「拡大縮小」と「回転」です。
これら機能、当時の据置型家庭用ハードでは、
まだスーファミにしかなかった機能でした。

何のこっちゃ? という方にご説明を。

こういうのは具体例を挙げた方が分かりやすいので、
名作「スーパーマリオワールド」を例にします。

このゲームのラスボスのクッパ戦にて乗物に乗ったクッパが
画面の奥から手前へと、カッ飛んでくるシーンがあります。

これがスーファミの拡大処理です。
ピエロっぽい顔が画面一杯になる瞬間を狙い、よくスタートボタンを押したもの。

また、同じくこの戦いにてクッパは乗物をくるっと反転させ、
謎の大玉でマリオを潰さんと攻撃してきます。

これがスーファミの回転処理です。

これらの処理は複合もできます。
クッパを倒した時は縮小機能+回転機能で演出されています。

なるほど! こういう時に使われていたのが、
画像の「拡大縮小」と「回転」なんですね。
全てスーファミ本体側で対象の画像に処理を掛けて実行しています。
(※厳密にはゲーム中の画像全てにこの処理機能が使えるという訳ではなく、
規定の条件下の一枚の画像のみに適用できます。所謂「モード7のBG」)

このようにマリオワールドの場合は「演出的な味付け」として使われましたが、
このスーファミの機能が無ければ根本から成り立たなかったソフトがあります。

ご存知、「スーパーマリオカート」です。

ゲーム中のレース画面をちょっと思い浮かべてみて下さい。
拡大縮小処理と回転処理が常に掛っている要素があります。

キャラ? カート? 発射した甲羅?

答えは「コース」

コースがスーファミによって処理されて画面に描かれています。

奥(画面の上)に行くほど縮小してコースを表示。
手前(画面の下)に来るほど拡大してコースを表示。
コーナリングすると、更にそのコースごと
回転処理を掛けて表示しています。

この機軸により、
2Dのゲームを奥行きのある3D風に見せています。
あのスピード感、臨調感あるレース、
スーファミの特殊機能の賜物です。

それまでも他ハードでレースゲームはありましたが、
真上からマシンを見下ろした平面タイプのレースゲームか、
遠近感はあってもマシンが直角より深い角度では
(表現的に)曲がれないタイプのレースゲームでした。

マリオカートってドリフトしまくって鋭角にも曲がれますし、
ジュゲムに怒られますが逆走もできますよね。
レース開始前のカメラワークも憎い演出です。

マリオカートを例にしましたが、F-ZEROも同じです。
F-ZEROは公式の動画がありましたので拝借。
コースに意識して見てみると面白いです。

スーファミの拡大縮小機能や回転機能は
他にも様々なソフトで応用されています。

・パイロットウイングスの着陸面
・ヨッシーアイランドのボス戦
・ファイナルファンタジーシリーズの飛空艇
・がんばれゴエモンシリーズのボス戦(ゴエモンインパクト)
・魂斗羅スピリッツの俯瞰ステージ
・アクトレイザーの地上に降りるシーン
・ガイア幻想紀のマップ移動(世界地図を歩く演出)

大人になってからこのスーファミの機能と応用を知り、驚愕しました。
見下ろしタイプの地面はドットが荒かった理由もこれだったんですね。

ゲームの開発者とプログラマーは本当に凄い!
ハードやソフトには当然、その時代その時代ごとに、
制約・容量からできる表現には限界があります。
そんな限られている状況下でも利用できる機能はフル活用して
斬新で新しい表現を作り出す発想、そしてプログラムの技術。

ただただ脱帽です。

幻のプレステ?

SONYの「Play Station」ですが、
開発当初はスーファミに取り付ける「周辺機器」として、
任天堂とSONYの間で共同開発されていました。

この「周辺機器としてのPlay Station」は
光学メディア読み取りの機器となるのが完成形です。
つまり、この機器を取り付ければ、
「スーファミでCD-ROMソフトを遊べる」という事に。

しかし。

諸事情により、なんとこの共同開発は中止に……
以降、SONYは自社独自のゲーム機として、単独で開発を続ける事に。

そして1994年、
あの「Play Station」がリリースされました。

任天堂は96年、次世代機として「NINTENDO64」をリリース。
64はCD-ROMではなくカセット方式を引き続き選択しました。
そしてハード市場でPlay Stationと相見えたのでした。

共同開発が頓挫した理由については、
ちょっとここでは控えますが(なにやら諸説あるそうです)、
今や据置機においても携帯機においても、
任天堂とSONYはライバルの構図にあります。

もしかすると、この両社が火花を散らし合う関係の背景には……
いや。邪推ですね。

ところで以前、この”幻のPlay Station”が、
「海外で発掘された」と、話題になりました。
どうやら「試作機の段階」までは開発が進んでいたらしく、
その試作機の写真や動画がネット上に出回ったのでした。

はたして本物なのか!?
海外ゲームファンによるフェイクなのか!?

真偽はどうとあれ、何ともロマン溢れる話です。

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